Vowelsの討伐に向かう前に、確認しておくべき点がいくつかあります。出発前にしっかりと準備しておきましょう。
レベル 26: 発音記号の違いについて
ここまで発音記号の勉強をしてこられた塾生の方なら気が付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は辞書によって発音記号の表記が異なります。
辞書のスタイルによる違い
発音記号にはいくつかスタイル (Jones式、IPA式など) が存在し、辞書の制作者がどのスタイルを使用するか、その辞書が作られた年代、場所などで異なってきます。主な違いは「母音の表記の仕方」と「アクセント記号の付け方」です。
アクセント記号
- 記号がアルファベットの真上にあるもの (weblio、goo英和・和英辞書など和英辞書に多い)
例: motorcycle /móʊtɚsàɪkəl/ (第一ストレス[ ́] 第二ストレス[ ̀]) - 記号がアクセントを置くアルファベットの直前にあるもの (Oxford Living Dictionaries、Cambridge Dictionaryなど海外の英英辞書に多い)
例: motorcycle /ˈməʊ.təˌsaɪ.kəl/ (第一ストレス[ ˈ ] 第二ストレス[ ˌ ])
長母音 (Long vowel) と 短母音 (Short Vowel) の表記
- 長母音を[ ː ]で表すもの (goo英和・和英辞書など)
例: book /buk/, boot /buːt/ - 短母音をブレーヴェ ( ˘ ) 、長母音をマクロン ( ¯ ) で表すもの (The Free Dictionaryなど)
例: book /bo͝ok/ , boot /bo͞ot/ - 短/長それぞれ別のアルファベット表記で表すもの→短母音が大文字(ɪ, ʊ)、長母音が小文字 (i, u)
例: book /bʊk/ , boot /but/ - 短/長それぞれ別の表記で表し、さらに [ ː ]をつけるもの (iː, uː) (Oxford Living Dictionaries、Cambridge Dictionary など)
例: book /bʊk/, boot /buːt/
インターネットで無料公開されている辞書の多く(最近の辞書)は、④のパターンが多いようです。
アメリカ式とイギリス式
アメリカの発音とイギリスの発音は異なりますが、これは「なまり」というだけではなく、辞書に記載されている記号も異なります。例えばhotという単語は US /hɑːt/ UK /hɒt/ となっています。ɑとɒはIPA [国際音声記号] に登録されている異なる発音です。
/hɑːt/ US発音 |
|
/hɒt/ UK発音 |
留意すべき点
以上を理解した上で知っておくべきなのは
- 複数の辞書を比較して、同じ単語で発音記号の表記方法が異なっていても、混乱しないこと。表記が違うだけで基本的には発音は同じです。(厳密に言えば辞書によって異なる発音を示しているとも言えますが、eigo塾としてはあまりツッコんで分析する必要はないと考えてます)
- どれが正しい、どれを使うべき、などもありません。自分の使用している辞書の表記方法を覚えておけばOKです。
- さらにそれらの違いを理解しておけば、レベルがぐっと上がります。
(詳しく知りたい方は、”Jones式 IPA式”などで検索してみてください。)
はつおんきごうのちがいを りかいした!
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昭和59年生まれ。東京都出身。21歳の時にイギリスへ約半年間の語学留学。28歳の時にワーホリでカナダへ。1年半滞在した後、30歳でマレーシアの音楽学校に入学。卒業後はフィリピンで社内翻訳者として働き、現在はフリーランスで翻訳をしながら、音楽を作ったり旅行したりしてます。TOEICは950点◎。フレディ・マーキュリーが永遠のアイドル。2か月の台湾ノマド生活をまとめた『台湾滞在記: 生活費 月6万円で一周 』がKindleで販売中。