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【英語のひとこと】For what it’s worthの意味は?

“For what it’s worth, I think he may be right.”

“For what it’s worth”というIdiomの意味を英日辞書で調べると、大体の場合が「価値があるかどうかわかりませんが…」という、意味は分かるがイマイチピンとこない説明が載っています。でも割と目にする表現なので、何とかして自分でも使えるようになりたいですよね。これを機に”For what it’s worth”の意味/用法をしっかり考えてみましょう。

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英英辞書比較

for what it’s worth
said when you are giving someone a piece of information and you are not certain if that information is useful or important:

「あることを誰かに伝える際、その情報が役に立つか、または重要かわからない時に言う。」なんとなくわかりますが、いまいちピンときませんね。

wiktionary.orgでは以下のようにあります。

for what it’s worth

used to soften the presentation of unsolicited advice or information that may not be relevant.

wiktionary.orgより抜粋

「関係ないかもしれない、頼まれてもいないアドバイスや情報を与える時の印象を和らげる時に言う。」少し分かってきました。

とあるサイトでは、以下のように分析している人がいました。

(“For what it’s worth” is) almost a kind of self-deprecation; it’s saying ‘No words of mine will be adequate, but…’

―english.stackexchange.comより

「これは自分を卑下しているようなもの。『私の言うことなんか大したことではないんですが…』と言っているのです。」なるほど。「別に大したことじゃないんですけどね…」というのはしっくりくるような気がしますね。

またあるサイトではさらに突っ込んだ分析をしており、面白かったので引用します。

(“For what it’s worth” is) Usually said at the beginning of the sentence when someone is about to say something he or she believes is worth saying.

Urban Dictionaryより抜粋

「今から自分が言うことに対して、言う価値があると信じている時に文頭に付け加える。」”For what it’s worth”というフレーズが上記の「自分を卑下している」というニュアンスを含んでいる上でモノを申しているわけで、実際内心は「自分の言うこと耳の穴かっぽじって聴いておいたほうがいいぜ」という自信に溢れているもんだ、というわけですね。確かに、「一応言っておくけど…」とか「大したことじゃないんだけどさ…」と言う時、こっちは言った方が良いと思って言いますもんね。とはいえ使い方には個人差があるので、そういうニュアンスが入っている時もあるのだと、参考程度に覚えておきましょう。

上記の説明をまとめると、「自分の意見を述べる時に、控えめなニュアンスを出すために使う」というような感じでしょうか。

Example

For what it’s worth, I think he may be right.
これは私の意見だけど、彼は正しいかもしれない。
For what it’s worth, I think you should apologize to her.
一応私の意見としては、彼女に謝った方がいいと思います。
For what it’s worth, I think you’re beautiful.
大したことじゃないかもしれませんが、私はあなたを美人だと思いますよ

例文を見ていると”For what it’s worth, I think…”という流れはよく見ます。

For what it’s worth, I fully endorse his opinion.
一応言っておくと、私は彼の意見を全面的に支持します。

後ろに持ってくるパターンも見かけました。

Here’s the list of names, for what it’s worth.
これが名簿です、念のため

Buffalo Springfield – For What It’s Worth

ちなみに“For What It’s Worth”という曲も存在します。前回も紹介したBuffalo Springfieldというグループが1967年に発表したもので、反戦歌としてヒットしました。しかし実際は反戦歌として書かれたわけではなく、作者のStephen Stillsが街で見かけた暴動からインスピレーションを得たそうです。

歌詞の中に”For What It’s Worth”というフレーズは出てきませんが、サビは以下のように歌われます。

I think it’s time we stop, children, what’s that sound
Everybody, look what’s going down

ここで文頭に“For what it’s worth”を付けると、こんな感じになります。以下意訳。

(一応伝えておくよ、)少年たち。思うにいったん立ち止まる時なんじゃないかな。あの音は何だ。みんな、何が起こっているか見てみろよ。

“For what it’s worth”というタイトルはアイロニーで、しっかりと大事なメッセージを伝えてるわけですね。やはり「言う価値があると信じている時に文頭に付け加える。」というのも、あながち間違ってないように思えてきました。

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