スピーキングは日本人にとってまさに鬼門ですね。日本語と英語では使う筋肉も発声方法も違いますので、流暢に話せるようになるためには時間をかけて訓練をする必要があります。また表現方法やスラングも星の数ほどありますので、「生きた英語」を話すには教科書や辞書だけではなく、ネイティブの会話を聞いて覚えなければなりません。
そこでおすすめしたいのが「ものまね」トレーニング法です。文字通り、ネイティブの話し方を聞いて、フレーズも喋り方も真似するというもので、説明するほどのものでもないのですが、これが非常に効果的。私はこのやり方でスピーキングを鍛えました。効果は保証します。今回は、上達しやすいポイントをいくつかご紹介したいと思います。
お気に入りのネイティブ話者を探す
これは「英語耳を作る」という記事でも書きましたが、大事なことなので何回でも書きます。「目標としている」「憧れの存在」「かっこいい」「かわいい」理由はなんでも良いですが、「こんな風に英語を話してみたい」と思える人物を見つけましょう。
その理由は「そうじゃないとモチベーションにつながらない」からです。教材の付属でついてくるCDのナレーションを、何度も何度も聴きたいと思うでしょうか?いや、そういう方もいらっしゃるかもしれません。が、私はそうは思いません。憧れの人だったら、何度も動画を見たいと思いますし、そうなるために努力したいと思いますから。
スポーツ選手、アーティスト、俳優、モデル、などなど。ネイティブもしくはネイティブレベルの人を探しましょう。ある程度知名度のある人の方が教材が見つけやすいので良いかもしれませんね。また複数選ぶよりも、最初は一人だけに絞った方がその人物のクセなどが盗みやすいのでいいと思います。
教材を探す
こちらも「英語耳」の記事で書きましたが、まずおススメはPodcastです。ダウンロードできて、同じエピソードを気軽に繰り返し聞くことができます。音声だけでなくその人物が話している姿を見るとイメージがつきやすいので、動画も探してみましょう。映画やドラマのワンシーンよりも、インタビューなどの方が自然な言い回しを覚えることができるので良いでしょう。
フレーズをものまねする
教材が手に入ったら、まずは何度も何度も繰り返し観賞しましょう。最低でも50回は観て/聴いてください。一日で50回観る必要はありません。ただ毎日最低でも1回は観るようにしてください。何度も観ていると、まるで歌のサビのように耳に付くフレーズが見つかるはずです。そのフレーズの意味を調べて、覚えましょう。そして次に観た時、そのフレーズが来るところで一緒に言ってみましょう。繰り返し見ていると、そのフレーズが日に日に増えていくはずです。
メモを見なくても言えるようになったなら、次は日常会話でそのフレーズを使ってみましょう(私と山田塾長は、このアクションを「ぶっこみ」と呼んでいます)。フレーズによってはなかなか使う場面が出てこないこともあるかもしれませんが、常にチャンスをうかがいながら会話をしてください。そしてついにその瞬間が来たら「ぶっこみ」ましょう。一度ぶっこめば、あとはこっちのものです。次にその状況がきたら、自然と口からフレーズがでてくるはずです。
インプットだけでは身に付いたことにはなりません。必ずアウトプットをするようにしましょう。
話し方をものまねする
声の出し方、トーン、よく使う言葉など、その人物の話し方を真似して自分も話してみましょう。これはおかしなことでもなんでもなく、言語学習において至極真っ当な学び方です。子供が親の話す言語を覚えるのは、赤ちゃんの時から親を見て育つからで、それと同じことなのです。
以前、友人と英語で会話をしていたら、隣にいた日本人の女性に「英語話すとき、声低くしてカッコつけてない?」と言われたことがあります。内心「(バレたか!?)」と思い焦りましたが、冷静に考えてみると、英語話者は喉を広げて発声をするため、日本語を話すときよりも声が低くなるのは当然なのです。
私がネイティブの話し方を熱心に研究していたのか、その子にカッコいいところを見せようとしていたのかは定かではありません。本当に定かではありません。しかし、ネイティブになりきって「カッコよく」話そうとするのは、スピーキングの練習方法として決して間違っていません。堂々とカッコつけましょう。
アクションをものまねする
顔の表情も英会話にとって重要な要素であると言えます。日本語と英語では使う筋肉が違いますから、特に口の開け方や、頬の動きなどを真似して話をしてみると、英語が話しやすくなるはずです。英会話に慣れていない私たち日本人には、少しオーバーにやるくらいがちょうどいいかもしれません。
身振り手振りも真似してみましょう。ジェスチャーをすることでこちらの意図がより相手に伝わりやすくなりますし、より自然です。恥ずかしいと思う必要はありません。言語を学ぶことは文化を学ぶこと。全身を使って学んでいきましょう。
まとめ
ものまね番組好きの私は上記の方法を自分の英語学習に自然に取り入れていました。そして実際にこの方法で覚えた英単語やフレーズなどは、会話の最中に「そのシーンのイメージ」と一緒に自然と口から出るようになりましたので、非常に効果的であったと思っています。今でも動画やインタビューなんかを観たりした時は、印象的だったフレーズを自然とマネして覚えようとするクセがつきました。ぜひ皆さんにも「ものまね力」を鍛えていただき、英語学習の役に立てていただきたいと思います。Keep acting!
↓Please click the banner below!
昭和59年生まれ。東京都出身。21歳の時にイギリスへ約半年間の語学留学。28歳の時にワーホリでカナダへ。1年半滞在した後、30歳でマレーシアの音楽学校に入学。卒業後はフィリピンで社内翻訳者として働き、現在はフリーランスで翻訳をしながら、音楽を作ったり旅行したりしてます。TOEICは950点◎。フレディ・マーキュリーが永遠のアイドル。2か月の台湾ノマド生活をまとめた『台湾滞在記: 生活費 月6万円で一周 』がKindleで販売中。