こんにちは。留学やワーホリを考えている方にとって、何よりも大事なのが場所選びですよね。治安、物価、渡航距離、遊ぶ場所などなど、比較すべき対象は多くあります。この選択が自分の人生を変えてしまうかもしれない。一つ間違えたら失敗してしまうかもしれない。そう考えるとどうしても慎重にならざるを得ません。
私は21の時にイギリスへ語学留学、29の時にカナダへワーホリへ、31の時にマレーシアの専門学校に入学、32の時にフィリピンの語学学校でインターンを経験しました(その後、別会社に就職)。時期も目的もそれぞれ違いますので、フェアな比較はできないかもしれませんが、今回は私の目から見た、それぞれの国のメリット、デメリットを紹介したいと思います。あなたの渡航先選びの参考になれば幸いです。
注:私が住んでいたのはイギリスはロンドン近く、カナダはトロント、マレーシアはクアラルンプール、タイはチェンマイ、フィリピンはセブ島で、これらの地域の比較になります。同じ国でも場所によって違いはありますので、ご了承ください。
目的別早見表
早速ですが、実際にこれらの国に滞在した私が、目的別におススメする国を挙げていこうと思います。
・英語に囲まれて本場の英語を学びたい!→イギリス、カナダ
・コスパ重視! ガンガン英語を喋れるようになりたい!→フィリピン
・過ごしやすい環境で生活を楽しみながら学びたい!→イギリス、タイ
・色んな文化に触れて自分の世界を広げたい!→マレーシア、カナダ
・日本人がいないところがいい!→イギリス、カナダ、タイ
以下からポイントを挙げて細かく見ていきましょう。
距離
イギリス | 約12時間 (東京→ロンドン) |
カナダ | 約12時間 (東京→トロント) |
マレーシア | 約7時間 (東京→クアラルンプール) |
タイ | 約9時間 (東京→チェンマイ) |
フィリピン | 約5時間 (東京→セブ) |
日本からの距離は、当然ながら東南アジアのフィリピンが圧倒的に近いので、航空チケットの料金も安く、気軽に行ける・帰れるというメリットがありますね。逆に欧米の場合はチケット料金も高く時間もかかるので、むしろ「自分は英語を習得するまでは絶対に日本に帰らない!」という気合200%の方にはいいかもしれません。ちなみに私は気合300%はありましたので後者を取りました。
天気
イギリス | 気候は日本と似ている。どんよりした日が多い。 |
カナダ | 夏→熱く短い。冬→北海道なみの寒さ。(トロント) |
マレーシア | 一年中夏。3月~乾季。10月~雨季。 |
タイ | 一年中夏。11月~乾季。4月~暑季、6月~雨季。 |
フィリピン | 一年中夏。12月~乾季。5月~雨季。 |
この中で日本に一番近い気候はイギリスでしょう。寒すぎず暑すぎず。少し曇りが多いイメージはありますが、一年中それなりに過ごしやすいかと思います。逆に冬が嫌いな方はフィリピン・マレーシアですね。雨は基本スコールなので、ザーーっと一気に降ってすぐ止みます。北海道出身の方ならカナダ(トロント)は問題ないでしょうが、東京出身の私には堪えました(体感温度-50℃)。しかし大雪が降っても、翌朝には除雪車がすぐに道を整備してくれるのは、さすがだと思いました。
「寒すぎるのは嫌だけど、暑すぎるのも嫌だ!」という欲張りなあなたには、タイ(チェンマイ)がおすすめです。チェンマイはタイの北部に位置しており、乾季(11月~3月)は特に東南アジアとは思えないほど涼しくなります。
物価
ここでは日常的によく利用するものをあげて比較したいと思います。(以下はおおよその値段です。レートは2018年8月のものです。)
ビッグマックセット | コカ・コーラ2L | 最安電車賃 | タバコ(マルボロ) | |
イギリス | 4.7ポンド(660円) | 1.9ポンド(270円) | 2.4ポンド(340円) | 10ポンド(1410円) |
カナダ | 6ドル(500円) | 2.4ドル(200円) | 3.25ドル(275円) | 13ドル(1100円) |
マレーシア | 11リンギ(300円) | 5リンギ(135円) | 1.8リンギ(48円) | 17リンギ(460円) |
タイ | 170バーツ(580円) | 27バーツ(91円) | 16バーツ(54円) | 60バーツ(200円) |
フィリピン | 180ペソ(370円) | 70ペソ(145円) | 7ペソ(14円。ただし電車ではなくジプニーという乗り合いバス) | 88ペソ(180円) |
ここはやはり東南アジア、マレーシアに軍配が上がりますね。しかしタイでもフィリピンでも、東南アジアのローカルレストランなら一食100円くらいで済みます。ただ輸入品など物によっては日本より高いものもありますので、何から何まで安い、ということはありませんのでご注意を。
治安
イギリス | それなりに安全 |
カナダ | 比較的安全 |
マレーシア | それなりに安全だか危ない地域もあり |
タイ | それなりに安全だか注意が必要 |
フィリピン | 危ない地域多し |
治安に関して一つ重要なことは「日本は世界有数の治安の良い国である」ということです。どこであろうと日本と同じ感覚で出歩くことは非常に危険、ということは覚えておいてください。(ちなみにシンガポールも日本並みに治安がいいと思いました。)
これを踏まえた上で5つの国を比較するならば、カナダが最も安全であると私は感じました。長期滞在していましたが、周りの知人にも危険な目にあったという話は聞きませんでした。イギリスでは暇な若者に絡まれたことが数回あったのでこの結果に。マレーシアも決して治安が悪いわけではありませんが、危ない地域もあります。タイは東南アジアでは比較的安全という印象です。そして残念ながらフィリピンは物騒な事件も多く、スリなどが多発する地域もあるため注意が必要です。しかし出歩く場所、時間帯などに気を付ければ大丈夫です。私は2年住みましたが、気を付けていましたので危ない目にあったことはありません。
人
イギリスには白人が多く、カナダは多様な人種の坩堝であり、マレーシアにはマレー・中華・インド系、タイにはタイ人、フィリピンにはフィリピン人、というのは分かりきっていますし、どの国にもいい人も悪い人もいますので、あえてここでは「語学学校の同級生の人種」をあげてみます。(地域、学校にもよりますので、あくまでも私の経験です。)ちなみにマレーシアでは語学学校に行ったことがないため、除外します。
イギリス | スペイン人が多め。他のヨーロッパ諸国、UAE、日本人、韓国人、台湾人も |
カナダ | ブラジル人、メキシコ人が多い。ヨーロッパからの生徒や、日本人、韓国人もいる |
マレーシア | N/A |
タイ | 主に中国人 |
フィリピン | 主に日本人、韓国人、台湾人 |
「日本人のいない環境で勉強したい」のであれば、イギリスやカナダの田舎にいくのも手ですが、タイもおすすめです。チェンマイの語学学校はほとんどが中国からの留学生ですので、日本語を話す機会はほとんどないでしょう。逆にフィリピンだと日本人ばかりですが、フィリピン人の先生と仲良くなれる機会は多いので、それはそれでおススメです。また、タイの学校は講師がネイティブですので、安くネイティブから学びたい! という場合には最適です。
現地の人のインタビューもありますので読んでみてください。
授業
イギリス | ネイティブによるグループレッスン |
カナダ | ネイティブによるグループレッスン |
マレーシア | マレーシア人によるグループレッスン |
タイ | ネイティブによるマンツーマンまたはグループレッスン |
フィリピン | フィリピン人によるマンツーマンレッスン |
授業内容で言えば、日本人に合っているのはフィリピンのマンツーマンレッスンでしょう。グループレッスンだと発言の機会も少なくなってしまいますので、英語初心者~中級くらいのレベルであればフィリピン留学はピッタリです。
しかし、もしあなたの英語力が中級以上で、スピーキングにもある程度自信があるのであれば、フィリピンだと逆に物足りないかもしれません。イギリス・カナダであれば本場の英語と接することができますし、「ネイティブの言い回し」を学ぶことができますので、自分の英語力を踏まえた上で考えてみると良いでしょう。
タイのチェンマイにはネイティブ講師が多くおり、マンツーマンレッスンも行っていますので、安くネイティブとじっくり勉強したい場合、おすすめです。
平均的な英語レベル
イギリス | ネイティブ |
カナダ | ネイティブ |
マレーシア | ほとんどの場所で通じる |
タイ | 日本人より少し話せる程度 |
フィリピン | 大体の場所で通じる |
イギリス、カナダは言わずもがなですので、東南アジアの三か国について説明します。
マレーシアは英語が堪能な方が多く、ネイティブレベルの英語力を持っている人も少なくありません。したがって、学んだ英語をアウトプットする機会には恵まれています。しかし、かなり訛りの強い英語(シンガポールの英語と同じ)を話す人が多いので、綺麗な英語を学びたい!という方は注意です。
タイ人の英語力は他の2か国に比べて非常に低いです。(しかし日本人よりは上です。)旅行者が多く来る場所であれば喋れる人もいますが、ローカル店であれば簡単な英単語以外はほとんど通じないでしょう。
フィリピン人の平均的な英語力は高く、ほとんどの人が日常会話レベルの英語を問題なく話せます。ネイティブ並みにうまい人もいますし、マレーシアほどの訛りもないので、東南アジアにおいて、英語に接する機会という点では圧倒的に強いでしょう。しかしあくまでも「第二言語としての英語」です。文法的なミスもありますし、喋れない人ももちろんいますので、完璧な英語環境を求めるのであれば英語圏に行くのが良いでしょう。
遊ぶ場所
イギリス | 博物館、サッカー観戦、ライブコンサート |
カナダ | 野球観戦、ホッケー観戦、ライブコンサート、アイススケート |
マレーシア | 食事 |
タイ | 食事、マッサージ、ハイキング、ツーリング |
フィリピン | カラオケ、海 |
イギリスはサッカーが盛んですし、ロンドンには大英博物館があり、音楽好きならライブ会場も多くありますので、そういった意味ではイギリスは遊ぶところが多いです。私が住んでいたのは田舎でしたので周りには何もありませんでしたが、よく週末には電車で1、2時間かけてロンドンやブライトンなどにライブを観にいったりしてました。
カナダはイギリスと似ていますが、冬にはスケートリンクが出来たり、ブルージェイズという野球チームもありますよね。こちらでも私はよくライブを見に行ってました。音楽好きならイギリス・カナダは最高です。
マレーシアではそういった「エンターテイメント」な場所は多くありません。しかし、マレーシアでの楽しみはズバリ「食」でしょう。中華系、マレー系、インド系のローカルレストランが多くありますので、安くて美味しいものがたくさん食べられるのはかなり強みではないでしょうか。「肉骨茶(バクテー)」という山田塾おススメの最高な料理もマレーシアならではです。
タイのチェンマイは田舎なので、上記のような「エンターテイメント」は期待できませんが、山に囲まれており、自然も多いのでハイキングやツーリングなんかは最高です。また本場のタイ古式マッサージが600円程度で受けられます。さらにマレーシア同様、食事がとにかく安くて美味しいので食通の方にはピッタリです。
フィリピンも同様に「エンターテイメント」な場所はありませんが、世界でも有数の美しい海があり、大自然を堪能できます。バイクを借りて島を一周したり、ジンベイザメと泳いだり、美しい滝のふもとでターザンごっこをしたりできるのは、フィリピンならではです。
ただどこにいようと、大抵は「ショッピングモールで買い物をして」、「おいしそうなレストランに入ってみて」、「夜は友達と飲む」のがよくある週末の過ごし方でしょうかね。ちなみに私はいっさい飲めません。
まとめ
ではここで改めて、それぞれの国の良い点をまとめてみようと思います。
イギリス | 完全な英語環境。エンターテイメントが豊富。遊ぶ場所が多い。過ごしやすい。 |
カナダ | 完全な英語環境。エンターテイメントが豊富。遊ぶ場所が多い。色々な人種と関わることができる。 |
マレーシア | 安い。近い。食べ物がおいしい。色々な人種と関わることができる。 |
タイ | 安い上にネイティブ講師から学べる。近い。食べ物がおいしい。過ごしやすい。自然がいっぱい。 |
フィリピン | 安い。話す機会がたくさんある。先生とすぐ友達になれる。自然がいっぱい。 |
以上、かなり偏ったレビューでしたが、あくまでも「私が見て体験した」感想ですので、その点ご了承ください。「なに言ってんだい、全然違うよ!」と思った方は是非是非下記のコメント欄などには書き込まず胸に秘めておいていただけると私が傷つかずに済みますのでなにとぞ。
eigo塾ライターのカナダ滞在記もあります。興味のある方は是非読んでみてください。
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昭和59年生まれ。東京都出身。21歳の時にイギリスへ約半年間の語学留学。28歳の時にワーホリでカナダへ。1年半滞在した後、30歳でマレーシアの音楽学校に入学。卒業後はフィリピンで社内翻訳者として働き、現在はフリーランスで翻訳をしながら、音楽を作ったり旅行したりしてます。TOEICは950点◎。フレディ・マーキュリーが永遠のアイドル。2か月の台湾ノマド生活をまとめた『台湾滞在記: 生活費 月6万円で一周 』がKindleで販売中。