Todd Haynes監督の2015年の作品、「キャロル (Carol)」を観ました。1950年代のアメリカが舞台の二人の女性の愛の物語です。この監督は、David BowieとStoogesのIggy Popをモデルにした「ベルベット・ゴールドマイン (Velvet Goldmine)」や、Bob Dylanを6人の役者が演じるオムニバス形式の「アイム・ノット・ゼア (I’m Not There)」など、ミュージシャンを題材にした作品を作るイメージがありましたが、キャロルでも各所で古き良き50sのOldies音楽が流れます。劇中の音楽はコーエン兄弟作品で有名なCarter Burwellが手掛けていて、これも非常に美しかった。
映画の冒頭、Carol(Cate Blanchett)とテレース(Rooney Mara)がレストランで会話をしている時に、Thereseの友人であるJackが偶然やってきて、Thereseに声をかけます。
“Therese? Is that you? What do you know!”
そして彼は二人に駆け寄って話を始めます。
ここで使われる “What do you know” はどんな意味でしょうか?「あなたは何を知っているんですか?」では辻褄が合いませんね。
Well, what do you know!の意味
The Free Dictionaryにはこうあります。
(well) what do you know!
a way of expressing surprise at finding something that is unexpected;
an expression of mild surprise at something someone has said. (No answer is expected or desired.)
「自分が想像していなかったことが起こった時に驚きを表現するフレーズ」または「誰かが言ったことに対してそこそこの驚きを表現する表現」(それに対する返答は想定していない)とあります。冒頭にWellをつけるパターンもあるようですね。日本語だと「まさか」などとヒットしますね。めちゃめちゃ驚く感じでもなく、「えぇうっそぉ」くらいでしょうか。他の辞書にはこうあります。
This phrase is often used humorously to mean the opposite:
humorouslyとあるので、少しおどけた感じで使われる表現でもあるようです。確かに映画の中でもJackは少し笑うように”What do you know!?”と言ってます(後ろ姿で顔は確認できませんが)。彼はまさかこんなところ(高そうなレストラン)でThereseと会うなんて微塵も思っていなかったわけで、そんな中で出た一言なのです。
Examples
テレース?君なのかい?うそだろ!
え、彼ら結婚するの?マジで!
え、彼って宇宙飛行士なの?まさかぁ!?
小説版Carol
ちなみに、映画キャロルは1952年に出版されたPatricia Highsmithの『The Price of Salt: OR Carol』という本が原作で、今よりも同性愛に対する世間の目が厳しかった50年代に書かれたという点でも興味深い作品です。英語の勉強に読んでみるのもいいかもしれません。ちなみにThe Price of Saltとは「喜びの代償」というような意味らしいです。
最後に
Well, What do you know! 字面だけで見るとよくわからないフレーズですが、シチュエーションで覚えると使いやすいフレーズですね。是非使ってみましょう。
ちなみに私が最近びっくりしたことは、カンボジアでコーヒー味のコカ・コーラが出てきたことです。What do you know!
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本ページの情報は2019年3月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください。
昭和59年生まれ。東京都出身。21歳の時にイギリスへ約半年間の語学留学。28歳の時にワーホリでカナダへ。1年半滞在した後、30歳でマレーシアの音楽学校に入学。卒業後はフィリピンで社内翻訳者として働き、現在はフリーランスで翻訳をしながら、音楽を作ったり旅行したりしてます。TOEICは950点◎。フレディ・マーキュリーが永遠のアイドル。2か月の台湾ノマド生活をまとめた『台湾滞在記: 生活費 月6万円で一周 』がKindleで販売中。